CGやアニメ・ゲームは流行を形づくる人気分野 「大好き」+「新しいものへの好奇心」が武器になる

コロナ禍でもエンタメ業界を牽引するヒットコンテンツが多く生まれたアニメやゲーム分野。それを支えるCG分野。この業界で働くためには、どのような技術・知識を身につける必要があるのだろう。

日本電子専門学校五十嵐淳之 クリエイター教育部長に、専門学校を選ぶポイントや高校時代に取り組んでほしいことを伺った。

確かな知識・技術を身につけられる学校選びを!

コロナ禍でもさらに需要増 流行を生み出す人気業界に

―まずはCG・アニメ・ゲーム業界の現状を教えてください。

2020年4月の緊急事態宣言下においては、ドラマや映画などの新規撮影ができなくなるなど、新型コロナウイルス感染症の影響がまったくなかったわけではありません。

しかし宣言が解除されたあとは通常の製作体制に素早く戻れたこともあり、比較的影響が少なく済んだ業界だと思います。むしろアニメやゲーム業界ではコロナ禍でもメガヒットを飛ばすコンテンツが多く生まれており、業界全体に勢いがありますね。

多くの企業の方から、採用については例年通りだと伺っています。

 

―CG・アニメ・ゲーム業界に就職するためには、どのような能力・技術・学びが必要でしょうか?

入学時は初心者の学生が多いため、どうやって知識や技術を身につけていくか考えることがとても重要です。

本校では、業界に精通し経験豊富な教員たちが、毎年オリジナル教材を作成して指導を行っています。

まず映画やテレビ、CMといった映像制作では、3DCGと実写映像を合成する「VFX」という視覚効果技術が用いられています。

本校のCG系3学科のうち、「CG映像制作科」では、CG制作の技術と実写映像を撮影するプロセスを学び、最終的にそのふたつを合成してひとつの映像作品をつくることをめざします。

アニメ業界は、デジタル化が進んでいる反面、手描きで作画ができる人材も求められています。そのため、就職の幅を広げるには、従来通り手描きでの作画からフルデジタルアニメまで、制作の全行程まで学ぶことが重要です。

アニメは連続した絵の連なりなので、例えば、横顔と正面を向いた顔の絵の間にある「その2枚をつなぐ絵」もある。絵を描く練習を通してアニメならではの作画方法や動画としての表現力を修得します。

ゲームについては、工程を大まかに分けると「制作(プログラマ・デザイナー)」と「企画(プランナー)」があり、本校の2年制学科では「ゲーム制作科」と「ゲーム企画科」があります。

ゲームづくりにはプログラミングのスキルが必要不可欠で、これを2年間で徹底的に教え込みます。

またゲームプランナーの場合は、考えたアイデアを相手に説明するスキルも必要です。ゲームのレイアウトやルールをまとめた仕様書をつくりプレゼンをするためには、プログラミングに加えデザインの技術も欠かせないのです。

CG・アニメ・ゲーム業界は分業制が一般的であるため、身につけた専門技術をもとに、自分が向いていると思う職種を幅広く考えることができます。

本校は1979年に日本初のCG教育を開始した学校でもあるので、学生一人ひとりの個性に応じたアドバイスと、希望に沿った就職先を提示することができます。

ポイントは、学生が企業を選ぶ際に何を大事にしたいか。給与や仕事の質・やりがい、労働時間など、多角的な面から就職に対するリテラシーを身につけておくことが大切です。

「大好き」なものを深く掘り下げていく

―どのような人に向いている業界でしょうか?

クリエイターの仕事に共通して言えるのは、まずはその分野が「好き」であること。さらに言えば「大好き」のレベルであることが望ましいです。

自分で関心を深め、勉強するだけの意欲が必要だと思います。加えて、「新しいもの」への興味がある人は、よりこの業界に向いていると思います。

流行に関わる仕事であり、技術もすぐに新しくなるため、好奇心は重要な武器になるはずです。

 

―専門学校を選ぶ際にチェックすべきポイントはありますか?

就職実績はやはり見ておくべきでしょう。卒業生を多数輩出していると、新入社員として入ったときに先輩がいて仕事がしやすいということも大いにあります。

企業とのつながりが強い学校だと、講演会や特別授業で直接、現場で使える技術を学べる機会も多く持てます。

本校の場合は「職業実践専門課程認定校であることと長年の就職実績により、企業からのアドバイスを受けながらオリジナル教材を毎年改良・刷新し、業界のニーズに合ったカリキュラムを構築することができています。

他にも、最先端の機材やソフトウェアが充実しているか確認したり、学生がつくった作品などをチェックしたりしてみるといいでしょう。

目標とする出口を見据えたうえで、専門学校を選んでみてください。

 

 

 

―高校時代に取り組んでおくと良いことはありますか?

たくさん映画やアニメ、美術作品を鑑賞したり、小説を読むことをお勧めします。

そして、感動した作品に出会ったら「なぜこの場面で感動したのだろう。どうしたら感動させられるのだろう」などと考えてみてください。

作り手の目線で考えることが、のちに自分の作品をつくる際に生かされてくるはずです。つくりたい作品のイメージがたくさんあれば、学びの意欲も高まります。

技術やアイデアには歴史があるので、新しいものだけでなく、ぜひ古い作品も観るようにしてみてください。

 

CG・アニメ・ゲーム分野のポイント

1 教材の質、機材・ソフトの充実度をチェック

目標とする職種を見据えたカリキュラムの学習レベルや効率よく学ぶための教材・使用機材・ソフトの種類などを確認する。

2 企業とのつながりが強いと 就職に役立つ機会が増える

「職業実践専門課程」の認定校など、企業・業界との関わりが深い学校では現場で役立つ実践的な内容を学べる。

3 関連業界に卒業生を多く送り出している学校か

自分が働きたい業界に先輩がいると心強い。学生作品(ポートフォリオ)を見ればその学校の実力が見えてくる。

 

この質問に答えてくれた人

日本電子専門学校
クリエイター教育 部長
五十嵐 淳之 先生
千葉大学大学院教育学研究科修了後、同校でCGデザイン指導を担当。現在はクリエイター系の全学科を統括。
取材後記
誌面の都合で詳しく書けなかったが、同校が力を入れるオリジナル教材の数と質の高さは特筆。教員が自ら作成し、高い学習効果を得るため、さらに業界のニーズに応えるため定期的に内容を改訂していることも秀逸である。設備施設についても、プロ仕様の機材や最新ソフトが揃い充実していた。また、作ってみたいモノのイメージをたくさん持っている人が伸びる。という、五十嵐先生のメッセージをここに追記しておきたい。
学校紹介

日本電子専門学校

東京都新宿区百人町1丁目25-4
TEL 03-3363-7761
https://www.jec.ac.jp/

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