専門学校のお金のはなし
専門学校への進学を考える上で、避けて通れないのがお金の話。
いくら必要なのか?いつまでに用意しておかなければならないのか?
進学にかかる費用について見てみよう。
まずは初年度の学費をチェック
まずは「入学して最初の1年間にかかる費用」を調べてみよう。初年度の学費には、「入学金」のほか「授業料」「施設・設備費」「実習費」などが含まれる。実際いくらかかるのだろうか。専門学校は分野によって学びの内容が異なるため、学費も大きく変わってくる。
東京の学校を例に、分野ごとの「初年度納付金」の平均額をまとめた。
(※東京都専修学校各種学校協会の調査による)
表によると、全分野の平均は約127.6万円。分野によって大きく差があるのがお分かりだろう。たとえば理学・作業療法などの医療系は、高度な医療機器を扱うため実習費が高くなる、製菓や調理・栄養系は、実習が多いため材料費や設備費がかかる、etc。
ポイントは、学費の高い安いにも理由があるということだ。よい教員をそろえて設備も整えようと思えばどうしても費用がかかるが、かといってあまりに高すぎる学校にも注意が必要。だから平均額を知って、学校を調べる際の参考にしよう。
また、2年次以降は初年度学費から入学金を差し引いた金額が目安になるので、卒業までのおおよその総額も計算できる。
学費以外にもいろいろ費用がかかる
学費以外に、教科書代や教材費、研修費などが別途必要になる場合もある。たとえば調理実習に使う包丁や美容のハサミなど、個人がもつ機材や器具をそろえる初期費用。あるいは希望制の研修旅行や特別講習があれば、その参加費がかかることもある。
こうした別途必要な費用については、「学費」の表に含まれていないことも多い。ほとんどの学校では「例年これくらいかかっています」という参考額をパンフレットやホームページで示しているが、中にはこの費用についてはっきり説明せず、入学してから度々徴収されるというケースもある。学費以外にかかる費用がどれくらいなのか、学校の担当者に尋ねるなどして調べておこう。
支払いのスケジュールをチェック
では、いつ支払いをしなければならないのか。最初に必要になるのは、入学手続きの際に支払う「入学手続き金」だ。一般的なものは下図の通り。
多いのは左図の2のパターン。入学金と学費の前期半年分を手続き時に支払い、残り半年分は後期授業の前に支払う形だ。どのパターンにあてはまるのか、手続き時にいくら必要なのかは学校によって異なるので、確認しておこう。
支払いのタイミングは、合格通知が届いてから1〜2週間以内が一般的。入学手続き金の納入と書類の提出をもって手続き完了となる。期間内に支払えなかった場合には合格取り消しになってしまうので、合格通知が届いてから慌てて準備することのないよう、必要な金額と入試のスケジュールはしっかり確認しておこう。
希望の進路に進むために 早めの準備を
お金についての問題は、本人の力だけで解決できるものではない。ぜひご家庭で、どんな分野に進みたいのか、どんな学校に通いたいのかといった話をしていただきたい。経済的な理由から進学が難しい場合にも、日本学生支援機構や各学校が独自に設けている奨学金など、さまざまなサポート制度がある。2020年から始まった「高等教育無償化」制度の対象となる学校もある。
ここ数年のコロナ禍では、家庭の経済状況が急変し、進路を変えざるを得なかった高校生も少なくなかった。こうした社会情勢の変動はいつ起こってもおかしくない。余裕をもって早めに準備しておくに越したことはないだろう。
お金の問題で希望進路を諦めることにならないよう、早いうちから情報を集めておこう。