【東京誠心調理師専門学校】健全な店舗経営に役立つコスト意識・衛生意識を持った プロの料理人を育成する

調理技術の習得と免許取得は大前提

2020年に創立50周年を迎えた東京誠心調理師専門学校は、2年制の調理師科(定員120名)を筆頭に、1年制の調理師科と、2年制のシェフパティシエ科、夜間部の2年制調理師科がそれぞれ定員40名。

学生が思い描く将来像に沿った技術的な専門教育のほか、一貫した人間教育と衛生教育によって、飲食業界で活躍する多くの人材を輩出している。

同校が重視する教育の具体的な取り組みについて、広瀬道理事長益田秀明校長にお話を聞いた。

基本を確実に身につけた上で 段階的に専門性を高めていく

―貴校で学べることの概要からお聞かせください。

本校の2年制の調理師科では、1年目に徹底して基礎を習得します。調理技術から、調理に関する知識・理論、衛生管理のノウハウまで、調理師免許に必要な知識と技術はすべて1年目のカリキュラムで網羅しています。

2年目はその応用編。フレンチイタリアン日本料理中国料理の4コースに分かれ、各分野特有の実践的な技術や食材に関する知識を蓄えていきます。

また、一部の座学を除き、試験方法はすべて実技。1年目は、剥き方や切り方などの包丁の基本的な使い方。2年目は実際の料理が課題となり、前期はランチ、後期はディナーでのフルコースを想定した試験を行います。

なお、調理では失敗もつきものですが、失敗を失敗のままで終わらせず、目の前にある素材を上手に活用する工夫も調理師にとって大事なテクニックのひとつ。

社会に出てからの失敗は自分にとって大きなマイナスになりますが、専門学校のうちにさまざまなチャレンジをして失敗することは、引き出しを増やす貴重な経験となり、大きなプラスになるのです。ですから本校では、失敗から学ぶことを重視しています。

また、本校では、店舗運営に必要なスキルを高める「開店計画」といったユニークな授業があります。

いかにおいしくつくるか」だけではなく、「いかに売るか」という視点に立ち、価格設定のプロセスなどを学習します。

例えば、あるメニューの価格を1000円とする場合、原材料費や人件費、光熱費、テナント料、販売促進費などを考慮の上で、どれだけ利益を乗せるのかといったプライシングの根拠を学びます。

原価率や利益率の計算は、安定経営に不可欠なもの。さまざまな経費の種類や実際の支出内容を把握できて初めて、効果的なコスト削減策を考え出すことにもつながります。

だからこそ本校では、将来を見越した店舗マネジメントを体系的に学ぶことを重視しているのです。

 

―他のコースについても特色をお聞かせください。

シェフパティシエ科では、1年目に調理師免許を取得し、2年目に製菓衛生師の受験資格を取得できる「ダブルライセンスの取得」が特徴であり、人気があります。

ただ、調理と製菓という複数の資格の取得自体が目的というよりも、将来の選択肢を広げることを最大のメリットとしてカリキュラムを組んでいます。

2分野を学ぶからこそ自分の適性に気づけることもあり、学びを活かしてどのように将来につなげるか、学生が主体的に考えるきっかけにもなるものです。

また、1年制の調理師科では「福祉調理コース」を設置しています。

高齢社会のニーズにマッチする調理技術として、見た目は普通の料理でも、実は「隠し包丁」によって高齢者でも噛み切りやすく食べやすくしておく工夫などを学びます。

その他、2年制の調理師科での4コースをはじめ、れぞれの分野で著名な料理人を講師として招いています。

ただ一方で、有名レストランの総料理長やシェフとして活躍している本校の卒業生が講師として凱旋し、後輩の指導に当たるケースも増えてきています。在校生にとっては、「自分もがんばればそうなれる」という卒業後のロールモデルとして励みになります。

卒業生が語る在籍中の思い出は、等身大のエピソードとして在校生の共感を呼んでいますし、同窓生だからこそ気軽に質問もできて、スキルアップにつながる気づきが得られています。

広瀬 道理事長

益田 秀明校長

料理人を育てる前に 社会人に相応しい人間教育を徹底

―貴校の卒業生が社会で評価されるポイントを教えてください。

飲食業界の就職活動では実技試験が行われますが、その際には衛生面も重要な判断要素になります。

例えば、試験で調理を始める際、制限時間を最大限有効に使おうと、いきなり調理をするのはNG。まずは自分の手指や道具を洗浄・消毒してから調理にとりかかる必要があります。

ただし、「どんな料理をつくれるか」以前に、衛生面の大切さを指導するかどうかは、専門学校によって違いがあるのも事実。本校ではコロナ禍の前から当たり前のこととして衛生教育に注力し、意識づけをしてきた蓄積があります。

というのも、本校が重視するのは、調理師養成の以前に人間教育。食品衛生管理にこだわるのも、外食産業に従事する人材の資質向上に重きを置いているからです。

世間でお客様から厨房が見えるオープンキッチンが増えているのも、スタッフに食の安全・安心を徹底させ、その姿勢をアピールしようとする店側の方針の表れでもあります。

ちなみに、本校で学生たちの実習施設として稼働する併設レストラン「S‐アイリス」もオープンキッチンです。

物を大切にする意識は、厨房を清潔に保つ意識に直結しますし、そもそも人として、社会人として最低限持つべき意識。料理を待つお客様や、ともに働く仲間のために遅刻をしない、休まないといった意識も同様です。

卒業生が就職後に離職が少なく、職場でキャリアアップしていけるのも、こうした意識づけを行ってきた成果のひとつであり、だからこそ多くの企業から求人をいただけるのだと考えています。

最後になりますが、みなさんが専門学校を探す前にしてほしいことは、自分探しです。自分が将来どんな料理人となり、何を実現させたいのかをじっくり考えて、ベストと思える学校を選んでほしいと願っています。

東京誠心調理師専門学校
調理師科2年制(フランス料理専攻コース/イタリア料理専攻コース/日本料理専攻コース/中国料理専攻コース)、シェフパティシエ科2年制、調理師科1年制(調理技術コース/福祉調理コース)、調理師科夜間部2年制
〒144-0052
東京都大田区蒲田3丁目21-4
TEL 03-3734-4411

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