【学校法人 食糧学院 東京栄養食糧専門学校】「食と栄養」のエキスパートが幅広い仕事で求められる時代へ

健康志向が強まるなか、「食と栄養」の専門知識が幅広い場面で求められている。

というカテゴリーながら、コロナ禍を逆風とせず、むしろ「栄養」のエキスパートである栄養士の注目度は上がっているという。

毎年、多くの栄養士・管理栄養士を輩出する東京栄養食糧専門学校を運営する学校法人食糧学院馬渕知子副学院長に、「食と栄養」の学びの魅力、そして、栄養士・管理栄養士の活躍の場について伺った。

「健康寿命」を維持するために「食」の提案が不可欠な時代

―これからの社会で必要とされる「食と栄養」の在り方とは、どのようなものとお考えですか?

昨年(2020年)からの新型コロナウイルス感染拡大を受け、「食と栄養」を学問として学ぶニーズが高まっているのを感じます。やはり、「免疫力アップ」のような文脈で語られることが多いからでしょうか。

その影響もあってか、東京栄養食糧専門学校の4年制・管理栄養士科の定員もいち早く埋まりました。若い世代の皆さんが栄養の知識に関心を持つことは、非常に有意義なことです。

例えば、「免疫力アップは腸内環境から」という発酵食品のキャッチフレーズがあるとします。その根拠まで理解している方はなかなかいませんよね?

実は、免疫細胞の7割は腸内にいて、腸の健康が免疫力アップに直結します。そして、善玉の腸内細菌を活性化させるには、エサとなる発酵食品や食物繊維をとることが推奨されます。ここでやっと発酵食品が免疫力アップにつながる理由がわかるわけです。

こうした「なぜならば」を考えることが重要なのです。

当校の母体となる食糧学院は、食の専門指導者を養成する教育機関として、戦前に創設されたルーツを持ちます。

食糧難の時代に始まった教育は、大きく変わろうとしています

「見て美しい、食べておいしい」の時代を経て、現在はいわゆる「健康寿命」を維持するために、「血圧を下げる」「免疫力を上げる」「足腰を強化する」といった足りないものを補うような「食」の提案がより強く求められています。

今こそ食材、工程、栄養の部分まで「食」をトータルで学べる環境づくりが大切です。「食と栄養」「医食同源」という食糧学院の教育キーワードはこうした背景から生まれたものです。

 

―「食と栄養」と「健康」のスペシャリストを養成する貴校の学びの特徴についてお聞かせください。

「栄養」と「調理」を学べる学校のいいとこ取りをできる環境こそ、東京栄養食糧専門学校の特徴だと考えています。

系列校である東京調理製菓専門学校とのコラボレーションのなかで、栄養士を目指しながら、一流ホテルのシェフから本格的な調理の指導を受けることもできます。

また、当校では企業と連携した産学コラボ事業にも力を入れています。企業とのコラボ商品やメニュー開発、農業体験・工場見学などの活動を通じて、食と栄養」の知識が実社会で求められることを実感できるプログラムになっています。

 

2年制の栄養士科から管理栄養士科への転科も盛ん

―貴校には、2年制の栄養士科のほか、4年制の管理栄養士科があります。その狙いはありますか?

当校には、「食」の専門指導者を育成してきた長い歴史があります。

4年制の管理栄養士科では、専門性の高いカリキュラムで実践力を鍛えながら、1年次から段階的に国家試験対策を行います。それが高い合格実績を維持している理由です。

ただ、高校卒業時点でそこまでの将来像が定まっていない学生も多いのが実情です。

そこで、2年制の栄養士科から学びをスタートし、卒業時点で4年制の管理栄養士科に転科(編入)する選択肢があることを入学時から伝えています。

「食と栄養」を本気で学びたいと考える学生に、幅広い機会を提供したいと考えています。

 

栄養士と管理栄養士の違い

栄養士 免許制(都道府県)
厚生労働大臣指定の養成施設(2年以上)を卒業。
主に健康な人々を対象に栄養指導・給食管理を行う

管理栄養士 国家試験
大学・専門学校(4年制)または栄養士+実務経験=5年以上。
個人を対象に治療効果や生活習慣などを考慮した栄養管理を行う

 

―新たに健康スイーツ研究科も開設予定です。ここではどのような学びが展開されるのでしょう?

新学科のキーワードは、「食のバリアフリー」です。

現代人の食卓は、アレルギーや生活習慣病などの問題を避けて通ることはできません。そこで、家族や仲間がみんなで食べられる健康的なメニューを考える学科があるべきだと考えたのです。

具体的には、アレルギーの原因となる卵、乳製品、小麦粉などの食材を使わないスイーツ、グルテンフリーや低糖質のパンやケーキの作り方などを理論とともに学ぶことができます。

 

食品、スポーツ、薬局など 広がる栄養士の可能性

―卒業生の就職状況や「食と栄養」の分野で求められる人材像についてお聞かせください。

コロナ禍ということで、「食」に関わる仕事の将来に不安を感じる方もいるでしょう。しかし、栄養士に関してはむしろ健康意識の高まりを背景に活躍の場が広がっています

特に薬局・ドラッグストアからの求人ニーズが高く、ほかにも食品関係スポーツ関係の企業・団体から多くの求人が寄せられています。

もちろん、国家資格である管理栄養士にもますます注目が集まります。不安な時代こそ、信頼できる資格が強みになるのではないでしょうか。

 

―栄養に興味を持つ高校生・保護者の皆さんにメッセージを。

2年間で「食と栄養」を幅広く学ぶことで、将来の可能性を大きく広げることができます。私自身も医学だけでなく、栄養学を学んだことで仕事の幅が大きく広がりました。

ご紹介した通り、栄養の知識は幅広い仕事の現場で求められています。「食と栄養」の深い知識を将来のキャリアに活かしてほしいと思います。

学校法人食糧学院
馬渕知子 理事・副学院長

東京医科大学病院勤務を経て、マブチメディカルクリニックを開設。2011年、学校法人食糧学院理事に就任。2017年から同学院の副学院長も務める。専門分野は分子栄養学やアンチエイジング医療。AKB48の専属ドクターとしても知られる。
東京栄養食糧専門学校
栄養士科 2年制
管理栄養士科 4年制
健康スイーツ研究科 1年制
〒154-8544
東京都世田谷区池尻2丁目23-11
TEL 03-3424-9113

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