美容に関する幅広い技術を身につけて業界で長く生き残れる人材を目指そう!

文部科学省が2022年12月に発表した『学校基本調査』によると、2022年に専門学校の美容科に入学した学生数2年連続で2万人を越え、業界全体の市場規模も拡大を続けている。

こうした要因のひとつとして、主に若年層において男女問わず美意識が高まっていることが挙げられると学校法人国際文化学園桑田篤志所長は語る。理容・美容業界現状や待遇の動向について話を伺った。

離職率を下げるため、業界全体で給与や社会保険などの待遇を改善中

従来のニーズに加え 男性の美意識の高まりが追い風に

―はじめに、理容・美容業界の現状についてお聞かせください。

理容・美容分野は、コロナ禍の影響が比較的少なかった業界です。というのも、飲食店が休業した場合は自宅で料理をすれば済みますが、美容院の場合はそうはいきません。そのため、多くの店舗が1日に対応する客数を減らしながらも休むことなく営業を続けていました。結果として交代勤務制が導入されるなど、コロナ禍によって現場の労働環境が改善された部分も少なからずあります。

こうした従来のニーズは決して途絶えることはありません。それに加え、最近は男性の美意識が高まっており、就活のためにお金をかけて眉毛を整える若者が増えていることなども追い風となって、業界の総合的なニーズは増加傾向にあります。そうした動向に伴って店舗数も増加し、求人についても非常に安定しています。

―理容・美容業界の給与体系や待遇面についてお聞かせください。

給与については個人経営型会社組織型の店舗で大きく異なり、後者の方が高給であることが多いです。しかし、こうした格差については業界としても問題意識を抱えており、現在は各店舗が法人化を積極的に進めている過渡期にあります。

業界に共通しているのは、「離職率を下げたい」という強い思いです。この思いを実現するために給与面を改善し、社会保険をはじめとする福利厚生面についても見直しが行われています。

同時に、技術習得のための研修所・アカデミーを運営する大手美容院も出てきました。このような施設のなかには、自社以外の社員有償で受け入れているところもあります。店舗でアシスタントを続けながら研修で技術を磨けば、短期間でスタイリストデビューを目指すことも可能です。こうして収入が安定することにより、業界定着率が上昇するという好循環が生まれています。

また、どれほど経験を積んだ美容師・理容師でも、日々移り変わるトレンドに追いつかなければ淘汰されてしまい、離職へとつながります。これらの施設は経験者最新のトレンドを学ぶ場としても、離職率の低下にも大きく貢献しているのです。

このように、業界が一丸となってスタッフの待遇改善や教育に力を入れ始めています。その点において、長期間にわたって働きやすい環境が整いつつあると言えるでしょう。

「本当の教育」とは幅広い技術を丁寧に教えること

―理容・美容分野において、専門学校選びのポイントをお聞かせください。

理容・美容業界は、実力がなければ仕事として続けていくことが難しい世界です。そのため、もれなく技術を身につけることができる学校を選ぶことが大切です。

私が広報を担当する国際文化理容美容専門学校では、「髪型+素肌+服装=トータルファッション」だと考え、それらにまつわるあらゆる技術を教えています。なぜなら、ヘアメイク、ネイル、ブライダル、着付けなどの幅広い技術を習得して自分の引き出しを増やしておくことで、業界で長く生き残ることができるからです。

国家試験の対策は大前提として、「+α」でどれだけのことを学べるかが重要なポイントだと思っておいてください。

美容理容の主な仕事分野

また、学びの幅広さに加え、ひとつひとつの内容を深く学べるかどうかもチェックすべきポイントです。競争率の高い有名店の採用試験では、突如として国家試験にはないカラーの技術を審査されることがあります。そうした場合の対応力は、学校の設備やカリキュラムによって大きく左右されます。

いつでも自分の力をアピールできるよう、質の高い教員充実した設備のもとで、実力を磨くことのできる学校を選びましょう。

最後のポイントは、学生と本気で向き合ってくれる学校を選ぶことです。遅刻や欠席を注意するのも、学生の将来を思ってのこと。学生時代はつらいと感じるかもしれませんが、指導が厳しい学校で経験を積めば、現場に出た後で苦労しないでしょう。

―最後に、高校生へのメッセージをお願いします。

理容・美容業界を志す皆さんには、自分の夢を実現することのできる、「本当の教育」を提供している学校を見つけてほしいと思います。「本当の教育」とは、理容・美容に関するあらゆる技術をもれなく丁寧に教えることだと考えています。

そこで努力して身につけた技術や多様な知識は、きっと将来的に自分自身を守ってくれるはずです。

また、学校選びを間違わないためにも、授業の内容教員のレベルはもちろんのこと、卒業後の離職率といった情報にも着目するようにしてください。

近年はメイクの仕事に就きたいと考える男性増加しており、たいへん喜ばしく感じています。夢に向かってメイクの勉強に力を入れることは大切ですが、学生のうちにヘアカットや着付けなどトータルの学びを深めておけば、活躍の場を大きく広げることができますよ。

理容・美容分野のポイント

1 もれなく技術を身につけることができる

国家試験対策は大前提として、実際の美容現場で求められる幅広いスキルを習得できるか確認する。

2 質の高い教員や設備が揃っているか

充実した環境のなかで着実に知識や技術を深め、イレギュラーにも柔軟に対応できる力を身につけよう。

3 学生と本気で向き合ってくれる

プロになれば甘えは通用しない。学生のためを思って厳しく指導してくれる学校を選ぶことも大切。

この質問に答えてくれた人

学校法人国際文化学園
国際文化教育総合研究所
桑田 篤志所長
専門学校で学生指導を行ってきた経験を活かし高校教員からの依頼による進路全般講演、専門学校講演、教員研修会などを年間50校以上で行っている。
取材後記
業界で活躍していくために必要なスキルについて、具体的に解説下さった桑田所長。お話で最も印象に残ったのは、人を美しく装う全体像、「トータルビューティー」を知ることがいかに大切かということ。髪型+素肌+服装をすべて意識した提案ができる人材こそが業界に定着できるのだ。
学校紹介

国際文化理容美容専門学校


渋谷校
東京都渋谷区神泉町2-2
TEL 03-3462-1447

国分寺校
東京都国分寺市南町3-22-14
TEL 042-321-0002

https://kokusaibunka.ac.jp/

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