「美容」「ネイル」「エステ」…… お客様の個性・世界観を演出する “一生モノ”の技術と資格

住田美容専門学校 住田知之先生

撮影技術とセルフプロデュース力を高める独自の授業を展開 SNSでの発信力が人気を高める原動力に

住田美容専門学校は、「美容師免許専門コース」と「美容師免許・メイク&ネイルコース」の2コース制。SNSを活用してセルフプロデュース力を高めていく独自の授業も特徴的だ。「脱高校生」から、「業界認知」を経てプロフェッショナルへと成長していくプロセスについて、住田知之理事長にお話を伺った。

世界のどこでも、年齢を問わず人々の個性を演出する

ー美容師や美容専門学校の魅力を教えてください。

美容師という仕事は、極論すれば「自分の技術にお金を払ってくれるお客様を見つければ勝ち」という職業といえます。必要なのは、自分にしかできない世界観づくりと、徹底的にお客様の好みを理解し、魅力を最大化することです。

その土台をつくるのが美容専門学校。基礎技術を身につければ、時代によって変化する多様なヘアスタイルの流行にも対応できます。渋谷に位置する本校周辺には300軒以上のサロンがありますが、それだけニーズがあり、ビジネスとして成立するということの証です。美容師として手に職があれば、人々のニーズに応えながら生きていけるのです。

ーもちろん難しさもあると思います。

勤務するエリアによって求められる内容が全然違います。たとえば本校から近い恵比寿は、ゆったりとしたフェミニンな雰囲気、代官山は、アートへの造詣も深い知的な街、原宿は元気でストレート、個性的で常識にとらわれない街。銀座は粋で格式高い特性があります。このように行き交う人々が違えばファッションのテイストが違い、ヘアスタイルの好みも違います。となれば、美容師として理解しておくべき内容も違うということです。

とはいえ、初めて会うお客様の好みを察知して、しかも頭部の輪郭や髪質を考慮して「似合う」ヘアスタイルにすることは容易ではありません。さらに、「今っぽくしてほしい」といった漠然とした要望にどう対応するか。服や靴、バッグなども観察しながら、好みを推測してカットする必要があります。美容師は、お客様の個性・魅力を活かした世界観を演出する「似合わせ」が醍醐味。経験に応じて観察力や演出力は高まり、相応の対価を得ていくことができます。

住田美容専門学校 ブラシ

1学年の定員は120名のみ。少人数教育でしかプロは育たない

ープロを育てるための授業の特徴を教えてください。

技術教育は、少人数体制で初めて成立します。本校では、1人が説明し、別の2人がフォローする3名体制で技術指導を行います。と同時に、生徒が「質問しやすい環境」であることが不可欠。「わかったつもり」「わかった気がする」は回避しなければなりません。プロを育てる以上、部活動のように「補欠」や「レギュラー」の線引きは論外。全員をレギュラーにしなければいけないわけです。

そこで本校では、基礎から応用まで着実にカット技術を高めながら、選択必修課目を600時間以上用意して、色彩学やサロンワークなど多彩な授業を行います。そして、スマートフォン全盛の世の中において、2016年からは、主にスマートフォンを活用した「撮影」の授業をスタートさせています。優れた美容師は、その技術を効果的にアウトプットすることで人気を集める時代。受け身ではなく、能動的に自らの技術力を発信してお客様を呼び込みます。動画や写真投稿を見て、カットを依頼するお客様は少なくありません。その主戦場となるのが、YouTubeやInstagramなどのSNS。映像や写真を駆使して自分の技術やセンスを見える化するセルフプロデュース能力と効果的な発信力は、現代の美容師にとって必須のスキルなのです。

住田美容専門学校 先生 SNS授業

ー国家試験対策と技術指導のこだわりについてもお聞かせください。

国家試験向けの技術指導と、最前線の現場で必要な技術指導は別物です。国家試験対策は、教育機関として長年の実績のある本校が得意とする部分ですが、その先にある美容の最前線で求められるスキルは、カット、メイク、ネイルなどの第一線で活躍するプロフェッショナルや卒業生と連携した指導を重視しています。カットを軸に、メイクやネイルなどを幅広く経験することは、自分の適性や将来像を見極めるためにも重要。「ヘアケアマイスター」や「色彩検定」、「パーソナルカラー検定」、「JNAネイリスト検定」など美容業界で働くうえで役立つ資格取得に向けた指導にも力を入れています。

ー生徒が意識すべき成長のステップはありますか。

成長できる生徒とは、入学後に「変われる生徒」です。まずは、遅刻せず、挨拶を徹底する人間的な成長。学習面では、技術を学ぶことを楽しめるような性格になる「脱高校生」という変化です。次に、プロとの交流で情報を集め、仕事の厳しさや美容業界の実務を深く知る「業界認知」。本校は、第一線のサロンがひしめく渋谷で「業界」が身近です。経験豊富な卒業生も多数活躍していますので、業界を知るチャンスが広がっています。そのうえで、就職したいサロンがあれば、その特色に合うようにさらにスキルを磨きます。

2年次には就職活動や国家試験に挑みます。壁にぶつかることもありますが、本校は生徒同士でも生徒と教員でも、チームとして助け合える校風です。身近に頼れる卒業生もいますので、そのつながりとコミュニケーションによって、ポジティブに自分を変えることが重要です。

最後になりますが、「これが美容師」という固定観念は不要です。まずは「美容に関わる仕事がしたい」という気持ちを大切にして、自分の可能性を追求していってください。本校で育まれた同級生や卒業生とのつながりが、美容師としてキャリアアップをする際のスパイスになったり、ビジネスの拡大を強力に後押しするきっかけにもなっていくはずです。

住田美容専門学校 実習風景
住田美容専門学校
https://sumidabiyo.ac.jp/
住田知之 理事長・校長

青山学院大学経済学部卒業後、理容・美容・医療分野向けのメーカーを経て、1995年に住田美容専門学校の副校長に就任。2014年より理事長と校長を兼任。