2021年度の 首都圏専門学校、募集状況(速報)

11月

まもなく12月を迎えるこの時期、専門学校の入学者募集も大詰めを迎えています。

昨年はコロナ禍の影響で分野により明暗が分かれた感がありますが、今年はどうなるのか?

弊社が首都圏の高校の先生方や専門学校から集めた情報をレポートいたします。

分野によって好不調はあるものの、 専門学校の進学率は上昇傾向

令和2年度 学校基本調査によると、専門学校進学率は24・0%。4年連続で微増しています。特定の分野でここ数年、大学志望層からの流入が増えたことも要因の1つでしょう。

昨年は10月時点で情報、デザイン、看護、動物分野の人気校が募集を締め切るなど、専門学校人気が過熱していましたが、今年は11月半ば現在、デザイン、美容、複数の動物の学校を除き、昨年よりも落ち着いているようです。次に分野ごとの募集概況について、解説します。

 

情報・デジタル分野、美容・リハビリ・動物などの分野は好調

将来に役立つ学びとして「情報」というキーワードがここ数年、注目を集めています。昨年は千葉の名門「船橋情報ビジネス専門学校」が10月で募集を締め切ったほか、年内に募集を締め切る学校が多くありました。

情報分野は大学でも非常に人気が高く、大学受験層の流入も考えられます。今年も締切間近の学校が多く見受けられますので、この分野を志望する人は急いで動いた方が良いでしょう。

余談ですが、専門学校では「AI(人口知能)」を冠する学科の新設が急増し、人気を集めていますが、IT関連の学びへの知見があり設備面が充実していて知名度も高い、伝統校を選ぶことをおススメします。

また、専門学校の花形ともいえる美容分野は早くも募集を締め切る学校も出ています。医療系の看護・リハビリなども好調で、特に看護は、昨年からコロナ禍の中で奮闘を続ける看護師に憧れを抱く受験生が増えたのか、かなり好調です。

昨年は一部の看護専門学校で指定校推薦の受験生が不合格になるというケースもありました。面接や小論文対策など、万全の準備をして臨みましょう。

例年以上に人気の動物分野

動物分野は、今年は特に人気が集まっているようです。すでに出願受付を終了している学校は、「日本動物専門学校」と「専門学校日本動物21」の全学科・コース。「国際動物専門学校」の自然環境・動物飼育学科、ドッグスペシャリスト学科、「大宮国際動物専門学校」の愛玩動物看護学科、美容・デザイン学科、ドッグスペシャリスト学科「中央動物専門学校」の愛犬美容科、愛犬美容研究科、動物看護研究科、などです。

(各校WEBサイト公表情報より。2021年11月16日現在の調査結果です。最新情報は必ず各校のWEBサイトをご確認ください。)

この人気の背景には2023年に第一回国家試験が予定されている「愛玩動物看護師」の存在も要因の1つとしてあるのかもしれません。こちらの対策には各校とも力を入れていると思います。

 

コロナ禍の影響を受けた分野は復活なるか?

一方で、苦戦が予想される分野としては、昨年からコロナ禍の影響を受けている調理、観光・エアライン、語学などが話題にのぼりました。今年は高校の先生からのアドバイスなどで他分野に志望変更する受験生もいたようです。

しかし、これらの分野はもともと人気が高いので、コロナ禍さえ収まれば人気が復活する公算が高いといえます。特に観光や語学などは、ねらい目となる可能性が大きいでしょう。

自動車分野も人材不足など、厳しい状況が伝わってきていますが、2024年から自動運転システムや自動停止装置の機能を車検の対象とする新車検制度がスタートするなど、大きな転換期を迎えます。先行してこれらの知識を学べる専門学校を選べばスキルアップのチャンスが広がりそうです。

エンタメ系の中では音響・PAなどは人気に!?

また、ライブ・コンサートが思うように開催できず苦戦が続いたエンタメ分野ですが、イベントを裏から支える音響やPAなどの仕事は動画の制作ニーズが増えたことなどもあり、需要が増えているようです。

実際に、私たちの業界でも大学や専門学校がWEBサイト上にアップする授業や学校紹介などの動画制作数が昨年から飛躍的に増えています。動画制作に音は不可欠な要素ですので、私も取材をしていてこれは「なるほど!」と思う話でした。

 

専門学校志望者はそろそろ本腰を入れて動きましょう

一部の分野ではありますが、このように募集を終了する学校もポツポツと出て来ています。幸い、コロナ禍の感染状況が落ち着いている状況でもあるので、まだ専門学校に行きたいけど志望校を決め切れていない高3生は、すぐに何校か学校見学に行ってから自分が行くべき学校を決めるようにしましょう(学校を見ないで決めるのはかなり危険です)。

12月以降、改めてタイムリーに専門学校の募集状況をレポートする予定ですので、こちらもぜひ、ご覧いただければ幸いです。

(文責 編集長タク)