トレンドの移り変わりが速いゲーム業界では、スマホゲームの隆盛が過ぎ、ハイエンドゲームが勢いづいている。『モンスターハンター』シリーズ最新作は全世界規模のヒットを記録。2024年11月に発売されたプレイステーション5も好調で、NintendoSwitch2の動向にも注目が集まる。
ゲーム業界の最新事情について、日本工学院ゲームクリエイター科の幸田健志先生に聞いた。
ハイエンドゲーム向けの高度なプログラミングスキルが求められる時代へ
ハイエンドゲーム好調で海外市場でも人気が加速
―はじめにゲーム業界の現状についてお聞かせください。
コロナ後のゲーム業界で絶好調なのが、プレイステーション(以下プレステ)に代表されるハイエンドゲームです。2025年2月に発売された『モンスターハンターワイルズ』が発売から3日で全世界販売本数800万本を達成し、話題になりました。プレステには、ゲーム動画を配信できる機能なども搭載されており、それをSNSでシェアすることでさらに人気が加速している状況です。
一方、スマホゲームは、2010年代のバブルが終わって、少々厳しい状況になっています。
業界トレンドとしては、今後、海外市場を意識したゲーム作品が増えるでしょう。日本のゲームはなぜか日本でしか売れない……。それを打破する作品に期待しています。
―専門学校ではゲームについて、どのように学んでいきますか?
ゲームをゼロから制作する場合、膨大な量のプログラミングが必要となります。
しかし、近年はUnityやUnreal Engine といったツールの発展により、以前よりも手軽にゲームをつくれるようになりました。なかには、こうしたツールを用いてゲーム制作を教えている学校もあります。
しかし、日本工学院のゲームクリエイター科では、ゲーム制作ツールに頼らず、ゼロからゲームを完成できるような人材を育成し、業界に輩出することを目指しています。
―専門学校での学びのステップについて、教えてください。
日本工学院のゲームクリエイター科には、「ゲームプログラマーコース」と「ゲームプランナーコース」があります。いずれのコースにおいても1年次から実践形式でゲーム制作の基礎を学び、学年が上がるごとに専門的なスキルを深めていきます。
ゲームクリエイター科に2年制と4年制を設置している点も日本工学院の特色です。本気でゲーム業界を目指すのであれば、4年制を選択するのがいいでしょう。ゲーム業界の最先端に立つには、最高難度のプログラミング技術のほか、ゲームをつくるために必要な幅広いスキルを身につける必要があります。
授業で主に学ぶのは、「C++」というプログラミング言語です。Unityを使って、表層的にゲームを作成するのではなく、1年次からツールの裏側のプログラムを学び、理解できる人材を目指します。
そして、4年間を通じて、数多くの「チーム制作」を経験します。さらに、在籍中に「日本ゲーム大賞」を始めとするゲームコンテストへの出場も経験できます。実際にゲーム業界で活躍する有名ゲームデザイナーやゲームクリエイターを見ると4年制専門学校で徹底的に学んできた人が多いと思います。
もちろん、2年制の専門学校でもゲーム制作を通じて、高難度のプログラミング技術を学べます。仮にゲーム業界の最前線で活躍するレベルに至らなくても、IT業界で十分通用するスキルが身につきます。
日本工学院では、2026年4月からゲームクリエイター科3年制も新設予定です。ここでは4年制の学びを凝縮して、本格的なスキルを身につけることができます。
―ゲーム制作を学べる専門学校を選ぶ際のポイントを教えてください。
本校も採用している「C++」という高難度のプログラミング言語を学べるかどうかが、わかりやすい判断基準になるでしょう。学校によっては、「C#」という言語やUnityを使ったゲーム制作がメインになる場合もあります。これらは基本を学ぶにはいい教材ですが、大手ゲームメーカーの就職においては、「C++」の熟練したスキルを必須としているところがほとんどです。本気でゲーム業界への就職を考えるなら、ここは押さえておくべきポイントでしょう。
また、体験入学に参加することも大切です。甘い話ばかりでなく、学生の将来を考え、厳しい話も誠実に伝えてくれる学校が信頼できます。
卒業生の就職実績を細かく開示しているかどうかも要チェックです。過去の就職実績は、そのまま企業からの信頼度を示します。数年間をまとめた数字ではなく、1年ごとの実績を参考にしましょう。
高校時代にゲームをつくる経験をしてみてほしい
―卒業後に想定される進路についてお聞かせください。
ゲーム制作を掲げている学科でもゲーム業界へ就職できる卒業生は、全体の2割程度が一般的です。ただし、プログラミングの知識や技術へのニーズは高く、9割以上の卒業生は、IT関連企業に就職できます。
そんななか、日本工学院のゲームクリエイター科4年制の卒業生は、5割以上がゲーム業界に就職しています。新卒で大手企業に就職できれば、将来の転職も可能です。
―最後にゲーム業界を目指す高校生にメッセージを!
Unityをはじめとするツールが発展して、ゲーム制作は特別なスキルではなくなりつつあります。クリエイターを目指すならば、高校時代に一度ゲームをつくってみてほしいと思います。突出したスキルを持っている必要はありませんが、そういう心構えは大切だと思います。
オンライン流通の発展によって、魅力あるゲームをつくれば、世界から評価される時代になっています。ゲーム業界を目指す方には、自分の夢はもちろんのこと、世界中のゲームファンの夢を叶えるような目標を持ってほしいと思います。
ゲーム分野のポイント
1 修得できるプログラミング言語を確認する
ゲームをゼロからつくるために必須のプログラミング言語「C++」の技術を学べるかが明確なポイント。
2 体験入学で設備や雰囲気を確認
学生の将来を考え、本格的な設備と環境で、難度の高い授業を行っている学校を選ぼう。
3 卒業生の就職実績を細かく開示しているか
過去の就職実績は、企業からの信頼を示す。数年間をまとめた数字ではなく、毎年の実績を確認しよう。
この質問に答えてくれた人


日本工学院専門学校
東京都大田区西蒲田5-23-22
TEL0120-123-351

日本工学院八王子専門学校
東京都八王子市片倉町1404-1
TEL 0120-444-700
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デザインカレッジ
科長 幸田健志先生
チーム制作を中心にゲームデザインを担当。ゲーム企業からも注目されている名物先生。ゲームをロジックで分析して面白くするゲームデザインの楽しさを伝えます!