人材不足を背景に就職先を選べる時代に憧れのホテル・式場で働くチャンス!

人材不足を背景に就職先を選べる時代に憧れのホテル・式場で働くチャンス!

コロナ禍を経て、インバウンド旅行ブームなどを背景に業績がV字回復しているホテル・ブライダル業界。現在は、外国人旅行者への対応、結婚式の多様化、慢性的な人材不足など、新たな課題と向き合っている。

ホテル・ブライダル分野の最新の学びや就職先について、日本ホテルスクールの山本浩子先生、中山万作先生に話を伺った。

外国人対応、SNS発信、柔軟な提案力など業界が求めるスキルとは?

自社のスタッフがSNSで情報発信をする時代へ

―インバウンド旅行者の増加が何かと話題ですが、ホテル業界の現状についてお聞かせください。

中山 コロナ禍の大ダメージからV字回復している状況です。海外からのインバウンド旅行者も2024年には3600万人を超え、高価格帯だけでなく、中価格帯のホテルも絶好調です。

一方で、急激な景気回復で、どのホテルも「人材不足」が深刻です。おかげで、現場は従業員ファーストになり、給与を含め職場環境が劇的に改善しています。転職もしやすくなっており、憧れの一流ホテル、外資系ホテルで働く夢も十分実現可能になっています。

―ブライダル業界の現状はいかがでしょうか?

山本 業界全体としては、コロナ前の水準に市場規模は戻っています。ただし、コロナ禍を経て、ウエディングの形が変わったのを感じます。従来の挙式から披露宴まで行うスタイルだけでなく、挙式のみもケースも増えています。

また、家族のみ、親戚のみというニーズもあります。最近は、パーティより写真撮影にお金をかけたいお客様も多いですね。挙式とは違う衣装で撮影する「前撮り」「後撮り」も人気です。これによってブライダルコーディネーターの仕事も実に多様化しています。

―最近、この業界では、SNSからの発信にも注目が集まります。

中山 その通りだと思います。最近はホテルからお客様へダイレクトにアプローチすることもスタッフに求められます。今までは「ホテルに来てからのサービス」でしたが、今後は「ホテルに来る前からのサービス」が期待されているのです。そこで、本校でも2024年ホテルSNSコミュニケーション科を新設しました。ここで最先端のSNSマーケティングを学ぶことができます。

山本 SNSは、ホテルよりブライダルのほうが早く取り組んでいました。大規模な企業では、社内にSNS担当を配置していますが、中小規模の企業では、SNS運用を外部委託している事例が多いですね。

―これからのホテル・ブライダル業界で働く人に求められる資質とはどのようなモノでしょうか?

中山 やはりグローバルな対応力は必須になると思います。ラグジュアリーホテルで働きたいならば、一定の英語力は求められるでしょう。

ただし、最近はさまざまな翻訳アプリも登場しています。英語に苦手意識を持たず、楽しむ意識が重要です。言語に限らず、さまざまな年齢、国籍、社会的地位の人たちとのコミュニケーションを楽しめることこそが、最も重要な資質かもしれません。

山本 先ほども申し上げた通り、ブライダルのスタイルは多様化しています。最近の20〜30代は、価値あるサービスには、数百万円レベルの対価を払う人も少なくありません。そこで、ブライダルコーディネーターに求められるのが、お客様のニーズに合わせた提案力です。最近の傾向としては、お客様と1対1でじっくり話し合いながら一緒に結婚式をつくるスタイルが好まれます。奇抜なアイデアより、気持ちに寄り添える素直さが求められていると思います。

―ホテル・ブライダル系の専門学校を選ぶ際のチェックポイントは?

中山 専門学校は、現場での実習が学びを深める上で非常に重要です。そのため、実習内容、回数、実習先のホテルなどをしっかりチェックしておきましょう。

日本ホテルスクール(昼間部)の場合、2年間の在学中に3か所の異なるホテル・ブライダル施設で長期実習を経験できます。実習期間中も企業と連携しながら、学生一人ひとりの適性を探るようにしています。

山本 ホテル・ブライダル共通ですが、どのような経歴の教員から学べるかも重要です。常勤の教員にどのような人がいるかパンフレット等で調べておくようにしましょう。

また、カリキュラム時代に合わせて更新されているかも要チェックです。写真撮影や動画編集、SNS運用などの授業があれば、最新の動向を意識できている学校だと思います。

中山 学校独自の教材プログラムを開発しているかでその学校の教育力が問われます。例えば、本校は現在50冊以上のオリジナル教材を開発し、全国120の専門学校・短大・大学で利用されています。

ブライダル業界にもインバウンドの波が到来

―最後にホテル・ブライダル業界に興味のある高校生にアドバイスを。

中山 ホテル業界はますます面白くなっていくでしょう。就職先も幅広い選択肢から選べます。就職の際は、目先の給与などで決めず、そのホテルで何を学べるかを考えてください。これからはどんどん転職しながら、キャリアアップする時代です。そのためにも高校時代から、いろいろなところに遊びに行って、楽しんでください。それがこの業界で働く上で何よりの財産になります。

山本 ブライダル業界にもインバウンドの波が押し寄せています。海外の人々に質の高いウエディングプランを提供するようなケースも増えるでしょう。その際のコミュニケーションに不可欠なのは幅広い教養です。ぜひ高校時代からアルバイトなどを経験して、いろいろな世代の人と話をして、興味あることは何でも吸収するように心がけてください!

ホテル・ブライダル分野のポイント

1 インターンシップや実習の内容

専門学校の強みはホテル・ブライダル業界の実務を学べること。実習先や実習内容は必ず確認を。

2 オリジナル教材と常勤教員

信頼できるのは独自の教材とノウハウで教育を行う学校。教員の経歴も調べよう。

3 業界の最新動向を学べる授業があるか

外国人対応、SNS発信など業界の最新動向に対応できるカリキュラムになっているか確認しよう。

この質問に答えてくれた人

専門学校日本ホテルスクール
副校長
山本浩子先生
ウエディングプランナーとして、長年現場で活躍し、(株)ベストブライダルで同社会場の館長などを歴任。2006年より日本ホテルスクールでブライダル分野を担当。1級ブライダルコーディネート技能士。
副校長
中山万作先生
アメリカ・ラスベガスの大学でホテル経営学を学ぶ。大学卒業後は国内外のシティ・リゾートホテルの宿泊部に従事した後、日本ホテルスクールでホテル分野を担当。2019年に経営学修士(MBA)を取得。
学校紹介
専門学校 日本ホテルスクール 外観
専門学校 日本ホテルスクール
東京都中野区東中野3丁目15−14
TEL 03-3360-8231
https://www.jhs.ac.jp/
→『進路の広場』で 専門学校日本ホテルスクール を見る