あらゆる業界で注目されるDXを学んで、社会の課題をデジタル技術で解決しよう!

あらゆる業界で注目されるDXを学んで、社会の課題をデジタル技術で解決しよう!

最近はさまざまなビジネスシーンで「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を見かける。デジタル技術で社会の課題を解決し、新たな価値をもたらすDX人材は、あらゆる業界で求められている。

日本電子専門学校エンジニア教育部長の大川晃一先生と同校のDXスペシャリスト科を担当する植山沙欧先生にDXの学びやその将来性について聞いた。

ビジネスに新たな価値を生み出すDXは、有望業界に就職する手段になる!

DXはデジタル技術を用いた「課題解決」と「価値創造」

―近年DX(デジタルトランスフォーメーション)への注目度が高まっています。IT分野におけるDXの現状についてお聞かせください。

植山 DXとは、デジタル技術を用いて、ビジネスや社会を変革することを指します。DXはIT業界だけでなく、あらゆる業界で活用できることから、世界中で注目されています。日本でもたくさんの企業がビジネスのDX化に取り組んでいます。

大川 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表している『DX動向2024』によると日本企業の64%がDXの取組において成果が出ているという調査結果が出ています。

しかし、アメリカ企業の90%がDX化で成果が出ているとしており、日本はまだまだ遅れていることがわかります。DX人材が足りないことが原因の1つと言われています。

―企業が取り組むDXの具体的な事例を挙げていただけますか?

大川 DXは実に身近なものです。例えば、皆さんが専門学校に出願する際、郵送するケースは少なくなってきていると思います。どの学校も「ネット出願」に移行しつつあります。

さらに、映画を観る際もDVDを借りるのではなく、ネットフリックスなどの配信サービスを利用して「サブスク」で見る方が便利ですよね。

植山 企業のDXでは、重機メーカーのコマツの取り組みが有名です。同社はショベルカーなどの重機を販売するだけでは、ビジネスが継続しないと考え、サービスのDX化に取り組みました。

具体的には、工事で使う土砂をスマホで撮影して、そのデータを送ると輸送にかかるダンプカーのレンタル費と人件費が瞬時にわかるサービスをつくりました。ドローンを使った測量、ブルドーザーの遠隔操作といった技術も開発しています。

つまり、DXとはデジタル技術を用いた「課題解決」と「価値創造」なのです。

―改めて、DXを推進するために必要はスキルとは?

植山 DX人材とは、現場の課題を発見し、それをデジタル技術で解決する方法を考案し、具体的にプロジェクトを動かせる人材です。DX人材は、AIやプログラミングのエキスパートである必要はありません。

むしろエンジニアをマネジメントして、プロジェクトをまとめるスキルが求められます。コミュニケーションをとることが好きな方や聞き上手な方が向いているかもしれませんね。

大川 DXは以下の2パターンでまとめられます。ひとつが各種データを分析し、新たなビジネスを創出する「攻めのDX」。もうひとつが、オンライン会議の環境をつくる施策などで社内の業務を改善する「守りのDX」です。

こう考えるとDXは、生徒会や学園祭実行委員で、「もっとこうしたほうが効率的だ」と業務改善を提案できるような人が向いている仕事かもしれません。

―DXを学べる専門学校を選ぶ際にチェックすべきポイントは?

植山 DXは「デジタル技術」「ビジネス知識」を融合した領域です。プログラミングやアプリ開発をはじめとするデジタル技術だけでなく、マーケティングやマネジメントなどビジネスに関する幅広い知識も得られるカリキュラムになっているか確認する必要があると思います。

大川 日本電子専門学校のDXスペシャリスト科では、週5日のうち最大3日の授業をオンラインで実施しています。実習はリアルな環境で行い、知識を得る座学系の授業は主にオンラインで行います。授業を通して、オンライン環境でのワークスタイルを身につけることができます。

植山 DXを学べる専門学校を選ぶ上で、どういう経験を持つ教員がいるかも重要なポイントです。SE(システムエンジニア)出身の教員、現役でDXに携わっている教員が多い学校は信頼できると思います。

大川 リアルなビジネスを体験できる環境もポイントです。本校のDXスペシャリスト科の学生は、卒業までにさまざまなビジネスコンテストに参加します。2024年には、一般社団法人全国専門学校情報教育協会が主催するビジネスプロデュースコンペティションで、審査員奨励賞を受賞した学生チームもあります。

あらゆる業界・職種でDXのスキルを活かせる時代

―DXを学んだ後、想定される進路について教えてください。

大川 DXは社会全体必要なスキルであるため、関連しない業界はありません。ITやものづくりはもちろん、商社、流通、医療、教育、スポーツなど、あらゆる分野のDXを活用した考え方や取り組みを見て就職先を選択しましょう。

植山 ただし、現状では企業から「DX担当者」という求人は出ていないので、「総合職」として入社し、営業や販売など、現場レベルでDX化に取り組むことになると思います。

―DXの分野に興味のある高校生にメッセージを!

植山 世の中をもっと便利にしたい、人と話して面白いことをしたい、そんな人にDXを学んでほしいです。デジタルスキルは後からでも身につけられるので心配無用です。文系・理系問わず、人の役に立ちたい方に目指してほしい分野です。

大川 とにかくいろいろなことに興味を持つことが重要です。日常の何気ないところに問題意識を持ち、考える習慣をつけてほしいと思います。それがDXで社会の課題を解決するための第一歩になります。

DX分野のポイント

1 パソコン未経験者でも受け入れ可能か

パソコンスキルの基礎、ノーコードのアプリ開発など初学者でも無理なく学べるカリキュラムか確認を。

2 「社会人基礎力」が身につく環境か

ITスキルだけでなく、コミュニケーション能力や課題解決能力を磨ける授業が用意されているか。

3 テレワーク時代に対応しているか

就職後に備え、オンラインと対面の両環境で、教員や仲間と実践的に学べる設備が整っているか。

この質問に答えてくれた人

日本電子専門学校
エンジニア教育部長
大川 晃一 先生
大手IT企業で開発業務に従事した後、日本電子専門学校へ。モバイルアプリ開発、Webシステム開発などの授業を担当。
日本電子専門学校
DXスペシャリスト科科長
植山 沙欧 先生
連業務、プログラミング教育に従事したのち、日本電子専門学校のDXスペシャリスト科に配属。主にプログラミングとDX関連の科目を担当。
取材後記
日常業務をデジタル化し、生産性を上げるには今の業務課題をどうデジタル化していくかの着眼点を持ちかつ、具体的に指示ができるDX人材が間違いなく必要だ。
学校紹介
日本電子専門学校

東京都新宿区百人町1丁目25-4
TEL 03-3363-2985
https://www.jec.ac.jp/

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