コロナ後の訪日観光需要に期待!今こそ語学力と国際感覚が強みになる

新型コロナウイルス感染拡大によって、大きな影響を受けたホテル・観光業界。

しかし、教育現場では、コロナ後の需要のV字回復に向け、インターンシップや研修プログラムの再開に力を注いでいる。

ホテル業界を志望する高校生は今何を考え、将来に備えるべきか。専門学校日本ホテルスクール石塚勉校長にお話を伺った。

実務重視の専門学校で学びホテルの中核を担うスタッフを目指そう

新しいマーケットの開拓、ITを導入した効率経営がホテル業界のトレンドに

―コロナ禍の厳しい状況が続きます。ホテル業界の現状について、お聞かせください。

ホテル業界は、依然として厳しい環境下にあります。2020年1月以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響が直撃しています。

政府主導のGo to トラベルキャンペーンで、業界は予想以上に盛り上がりましたが、今年1月からの第二次緊急事態宣言発出後、先行きが不透明な状況が続いています。ワクチンの効果に期待が高まります。

一方、「働き方改革」の動きに合わせて、「リモートワーク」「ワーケーション(ワークとバケーションを合わせた造語)」によるホテル利用といった新しい需要も出始めています。コロナ後は、安全衛生に留意し、働き方改革、新しいマーケットの開拓、IT・AIを導入した効率的な経営がトレンドになっていくでしょう。

 

―コロナ禍の終息後、ホテルビジネスのグローバル化は加速していきますでしょうか?

コロナ後の世界を見据えれば、グローバル化が進むのは間違いありません。その点では、語学力は大きな強みになるでしょう。

2021年3月現在の世界人口約73億人のうち、英語人口は15億人(約20%)、第二公用語としている人口は21億人(約30%)と言われています。こうした状況を見るとグローバルな時代に日本人が世界に出て行くためには、英語力は必須です。

一方、世界で使用されている言語のトップ5は、1位:中国語、2位:英語、3位:ヒンディー語、4位:スペイン語、5位:ロシア語となります。

日本と交流の深い中国語も強みになるのは間違いありません。できれば今後、訪日観光客が増えているアジア諸国の人々が使うマレー語、ベトナム語、インドネシア語なども学んでおくことをおすすめします。

専門学校を卒業し、ホテルの総支配人として活躍する先輩も多数いる

―観光・ホテル学の分野において、大学と専門学校の学びの違い、進路の違いはありますか?

基本的に大学は学問研究の場、専門学校は職業訓練の場という違いがありますが、実際には両者で学べる内容は近づいており、4年か2年かという違いしかないと思っています。

ただ、ホテルに特化した専門学校は少なく、伝統校といえるのは、創立50周年の私ども日本ホテルスクールを含め数校しかありません。伝統校には、蓄積された実践的なカリキュラムがあり、現在のホテル業界に多くの人材を輩出しています。業界内での卒業生ネットワークも強いと自負しています。

一方、企業側は大卒者を幹部候補、専門卒者を中堅幹部候補として考えている傾向は否めません。

しかし、これは採用時点の話でその後の昇進昇格は本人次第です。本校の卒業生の実態を見ていると30代で課長・部長クラス、40代で総支配人・幹部として活躍している人が数多くいます。

 

―今期、コロナ禍でどのように授業を進めましたか?

2020年2月から授業・学校行事はすべて変更を余儀なくされました。前期の授業・試験はオンラインで実施、後期はオンラインと分散登校による対面授業を合わせて実施しました。

また実技演習は、ホテルを全館もしくは部分的に貸し切って実施しました。

―どのような人がホテル分野の学びに向いているとお考えですか?

やはり社交性がある人、海外や異文化に興味・関心のある人、クオリティの高い生活環境で働きたい人が適任かと思います。

別の言い方をすると、やはり接客業ですので、人と人との関わりを大切にする人が向いているでしょう。仕事で外国語を使いたい、国際交流をしたいという人もホテルという仕事を楽しめるのではないでしょうか。

 

オリジナル教材や留学プログラムの充実度で教育の本気度が見える

―ホテル系の専門学校を比較する際にチェックすべきポイントは?

各学校が制作する入学パンフレットや資料を読み込むのが基本です。ポイントとして、学生数、退学者数、就職先とその人数などの具体的なデータを公表している学校は信頼できます。

また、専門学科の豊富さ、実習設備の有無、インターンシップ先の企業との連携の深さなども調べておくのが理想的です。

最近は、本格的な留学を経験できる専門学校が増えてきました。コロナ後を見据え、留学プログラムの充実度をチェックしておきましょう。

また、意外に見落としがちなのが、学校独自の教材やプログラムを開発しているかどうかです。ここでその学校の教育力が問われます。私ども日本ホテルスクールは、現在50冊以上のオリジナル教材を開発し、全国120の専門学校・短大・大学で利用されています。

 

―ホテル分野を学びたい人が高校時代から取り組むべきことは?

機会があれば、全国各地、海外などを旅行してほしいですね。

旅行をすれば、必ずホテルや旅館に宿泊し、サービスを受ける機会も多くなります。そのホテルの客層や従業員の働きぶりを観察しておくと入学後の学びに大いに役立つでしょう。

 

ホテル分野のポイント

1 インターンシップや研修プログラムの内容

専門学校の強みはホテルの実務を学べること。インターンシップ先や研修内容に違いが出る。

2 語学教育&留学制度の充実度

コロナ後を見据えて、本格的な語学教育、留学プログラムを利用できる学校を選ぶのも重要。

3 学校オリジナル教材と卒業生ネットワーク

信頼できるのは独自のノウハウで教育を行う学校。そこで学んだ卒業生ネットワークも強みになる。

 

この質問に答えてくれた人

専門学校 日本ホテルスクール
校長
石塚 勉 先生
1946年 北海道生まれ。1971年 株式会社プリンスホテル入社、プリンスホテルスクール開業準備室。1972年 旧プリンスホテルスクール開校。2009年 学校法人日本ホテル学院理事長、専門学校日本ホテルスクール校長。2013年 一般財団法人日本ホテル教育センター理事長。設立以来、ホテル業界人の育成に尽力。業界を問わず、国内外で幅広い交流を積極的に行っている。
取材後記
50年、ホテル業界を見続けてきた石塚校長のお話の面白さもさることながら、オリジナル教材の質の高さと豊富さに老舗のプライドを見た。
学校紹介
専門学校 日本ホテルスクール

東京都中野区東中野3丁目15−14
TEL 03-3360-8231
https://www.jhs.ac.jp/