宿泊も結婚式もコロナ前の水準に 憧れのホテル・式場で働くチャンス!

新型コロナウイルス感染拡大によって、大きな影響を受けたホテル・ブライダル業界。現在は、コロナ前の水準近くまで、利用者は戻っているという。

訪日外国人への対応、結婚式の多様化など、アフターコロナの課題と向き合うホテル・ブライダル分野の最新の学びや就職先について、日本ホテルスクールの山本浩子先生中山万作先生に話を伺った。

グローバルな対応力がますます求められる状況

―コロナ禍も落ち着いた雰囲気ですが、ホテル業界の現状についてお聞かせください。

中山 新型コロナウイルス感染拡大の影響が直撃したホテル業界でしたが、2022年末くらいから本格的に宿泊客が戻って来ています。全盛期の2019年にはまだまだ及びませんが、見通しは明るいと思います。

海外からの旅行者も増えており、リピーターは、地方都市にも足を延ばしています。各都市には受け皿となる一流ホテルが続々とオープンしており、ホテル業界で働く人材はますます不足していくことが予想されます。

―ブライダル業界のほうはいかがでしょう?

山本 2023年に入りコロナ禍で結婚式を延期したカップルが結婚式を挙げており、結婚式の件数はコロナ前の水準に戻っています。列席人数もコロナ前のような規模に戻りつつあります。

コロナ禍の時期には、首都圏と地方のホテルをオンラインでつないで、親族に列席してもらうリモート披露宴なども行いましたが、今は従来のスタイルに戻っています。やはり、結婚式はリアルでやりたい人が多数派です。

ホテル業界と同様、ブライダル業界も慢性的な人材不足です。コロナ禍で転職した人も多く、その補充が十分にできていない状況です。

 

―これからのホテル・ブライダル業界で働く人に求められる資質とはどのようなものでしょう?

中山 やはりグローバルな対応力は必須になると思います。ラグジュアリー系ホテルで働きたいならば、一定の英語力は必要になるでしょう。外資系ホテルで働くアジア系の若いスタッフは、2〜3か国語を当たり前のように話します。英語に苦手意識を持たず、楽しむ意識が必要かもしれませんね。

山本 大規模な定型の結婚式は少なくなり、スタイルは多様化しています。最近の20〜30代は、価値あるサービスには、しっかり対価を払う人も少なくありません。そこで、ブライダルコーディネーターに求められるのが、お客様のニーズに合わせた提案力です。それは相手の気持ちに寄り添い、考えを丁寧に言語化する作業といえます。企画力やプレゼンテーション力、さらに確実に売上げにつなげるマーケティングの知識も必要になります。クリエイティブな能力だけでなく、数字を見る営業的な視点も求められるのがこの仕事の特徴かもしれません。

―ホテル・ブライダル系の専門学校を選ぶ際にチェックすべきポイントがあれば、教えてください。

中山 ホテル専門学校は、現場での実習が学びを深める上で非常に重要です。実習先のホテルなどはしっかりチェックしておくべきだと思います。
日本ホテルスクールのホテル科(昼間部) の学生たちは、2年間の在学中に3か所の異なるホテルで長期実習を体験します。学校側が実習先を選定し、学生たちが幅広い現場・業務を経験して、自分の適性を見つけられるように心がけています。実習先となる東京都心の一流ホテルで、プロのサービスを目の当たりにしながら、学ぶことができます。

山本 これはホテル・ブライダル共通ですが、どのような経歴の教員から学べるかを調べるのも大切です。特に非常勤ではなく、常勤の教員にどういう人がいるかを入学パンフレット等で確認しておきましょう。
日本ホテルスクールは、ホテル科・ブライダル科ともに、さまざまな経歴の教員が揃っています。常勤教員の定着率も高いため、卒業生が情報交換のためによく訪れていますよ。

中山 入学パンフレットや公式サイトで、学生数、退学者数、就職先とその人数など、具体的なデータを公開している学校は信頼できます。また意外に見落としがちなのが、学校独自の教材やプログラムを開発しているかどうかです。ここでその学校の教育力が問われます。例えば、本校は、現在50冊以上のオリジナル教材を開発し、全国120の専門学校・短大・大学で利用されています。

憧れのホテルや式場があれば各校の就職実績を要チェック

―ホテル・ブライダル分野では、学校によって就職先企業の違いはありますか?

山本 それは当然あると思います。各校それぞれ実習先や就職先とのネットワークがあるので、就職したい憧れのホテルや式場がある人は、各校の就職実績の欄を確認しておくといいでしょう。その企業名が就職実績に明記されていれば、就職できる可能性が高まります。

また、就職実績を見る際は、過去何年分のデータなのかも要チェックです。過去3〜5年分の有名な就職先を列記する学校より、毎年就職実績を更新している学校のほうが信頼できますよね。

―ホテル・ブライダル分野に興味がある高校生にメッセージを。

中山 機会があれば、高校時代に国内外を旅行して、人や街を観察する癖をつけてほしいと思います。ホテル・ブライダル業界で働くには、「好奇心」が必要です。新しいことを知りたい! 出会いたい! そんなワクワクする体験をして、自分の興味・関心をどんどん広げてください。

ホテル・ブライダル分野のポイント

1 インターンシップや実習の内容

専門学校の強みはホテル・ブライダル業界の実務を学べること。実習先や実習内容は必ず確認を。

2 オリジナル教材と卒業生ネットワーク

信頼できるのは独自の教材とノウハウで教育を行う学校。卒業生のネットワークも期待できる。

3 どのような経歴の常勤教員がいるか

ホテル・ブライダル業界の現場を知る教員から学べるのが理想。それが常勤の教員であればベスト。

この質問に答えてくれた人

専門学校日本ホテルスクール
副校長 中山 万作 先生

アメリカ・ラスベガスの大学でホテル経営学を学ぶ。大学卒業後は国内外のシティ・リゾートホテルの宿泊部に従事した後、日本ホテルスクールでホテル分野を担当。2019年に経営学修士(MBA)を取得。

専門学校日本ホテルスクール
副校長 山本 浩子 先生

ウエディングプランナーとして、長年現場で活躍し、(株)ベストブライダルで同社会場の館長などを歴任。2006年より日本ホテルスクールでブライダル分野を担当。1級ブライダルコーディネート技能士。

学校紹介

専門学校日本ホテルスクール

東京都中野区東中野3丁目15-14
TEL 03-3360-8231
https://www.jhs.ac.jp/

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