【東京電子専門学校 臨床検査学科】検査結果や患者さんの言葉から 病状を読み解く洞察力を身につける

東京電子専門学校

東京電子専門学校の創立は、戦後間もない1946年。現在は、医療技術系3学科、情報システム系5学科、電子・電気系2学科で構成され、総務省、経済産業省、厚生労働省、国土交通省の4省から認定を受ける総合学園です。

同校の臨床検査学科の学びの特徴について、国立病院で長年臨床検査技師として活躍し同校で後進の指導にあたる宮原先生にお話を伺いました。

数値の意味を解き明かす 統計学の素養を重視

—宮原先生は医療機関での実務経験を経て着任されたと聞きました。現場を知る立場として心掛けていることや、客観的な視点で感じられる貴校の魅力をお聞かせください。

私は国立病院で30年以上にわたって臨床検査技師として勤務してきましたので、現場での経験を次世代の医療にどう活かしていくべきか、検査方法の改善や、感染対策の改善など、教科書には書かれていないような実例、実体験など、リアルなトピックを学生にも提供しています。

そんな中、現場を見てきた私からしても、本校の充実した設備や教員陣には驚かされます。例えば、最新の超音波診断装置、いわゆるエコー検査器も導入されており、しかも認定資格を持って臨床現場でエコー検査に従事してきた教員が指導しています。私に限らず、現場での経験やノウハウを直接学生に伝えられる環境ですし、それを学生が習得できるよう実践的な指導が行われています。また、解剖学実習で臓器の微細構造を学ぶ際には、透過型と走査型という2種類の電子顕微鏡を活用します。このような高価な電子顕微鏡を保有する専門学校は全国でも珍しく、学生はとても恵まれた環境で勉強できていると思います。

ただ、医療機関では必ずしも最新の設備があるわけではありません。最新機器では自動化された機器が増えているのですが、その点でも本校では少し旧式の機器で学ぶ機会もありますので、結果的にどのような医療機関に就職しても学んだ内容を実践できるのです。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って広く知られるようになったPCR検査に携わるのも臨床検査技師ですが、そのPCR装置にも新旧さまざまなものがあり、本校での学びが臨床現場でも活かされます。そのほかにも、在学中に胚培養技術を学んで不妊治療の道に進む卒業生などもおり、先端機器を活用した学びが卒業後の進路にも活かされているといえます。

コロナ禍で発揮された総合学園としての強みと教育効果

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オンライン授業などの環境整備に向けては情報システム系の教職員が尽力する一方、衛生的な環境整備に向けては医療技術系の教職員が一致団結。総合学園として支え合う強みが発揮され、専門知識・技術の実践への応用例として、学生にとっての“生きた教材”にもなりました。

 

—入学後の学習プロセスについてお聞かせください。

1年次には、高校時代の復習に近い勉強も行います。自然科学全般への興味は不可欠となり、一般化学や分子生物学のほか、生理学、解剖学、生命化学、薬理学、微生物学、医動物学など専門教科も学びます。まずは講義型授業を中心に知識を深め、その後の実習を通して定着させていくという流れです。また、一般的な英語に加え、医用英語という科目も設置しています。これまでカルテの記載はドイツ語が主流でしたが近年は若い医師を中心に英語が使われている傾向にあるからです。

2年次には、遺伝子検査学、血液学、輸血学、病理学、免疫学などの専門科目の講義と実習を学びます。3年次には3ケ月の病院実習があります。実習後は法医学や安全管理学などを学びながら2月末の国家試験に向かって猛勉強が始まります。

臨床検査技師が持つべき素養として、実際の検査管理業務での精度向上のために重要なのが統計学の知見です。授業では精密度や正確度、標準偏差、相関係数、F検定・T検定などを計算ソフトを使わず電卓を使って計算し理解を深めます。統計処理は臨地実習での精度管理や研究発表でも活用されますし、ある値が示す意味を解明する中で様々な背景・要因が見えてくる面白味があります。

臨床検査技師は患者さんから採血して血液・生化学・免疫検査などの他に生理検査からも出る数値と毎日向き合うことになります。しっかり精度管理された検査データーがあればこそ正確な診断ができ、臨床医は次の治療ステップにも進んでいけるのです。生体には個人差がありますので同じ数値が出たとしても、人によってその意味合いは異なります。同じ検査でも測定方法が異なる場合、その結果を検証・証明するためにも統計学の手法は必要になります。現場では医師とも連携しますが、臨床検査技師として数値を分析し正常か異常かを判断できなければいけません。患者さんの既往歴や現症状・治療などと照らし合わせて異常値を見出し、それを論理的に解明する力を養う必要があるのです。

言うまでもなく勉強は大変ですが、臨床現場に出て知らなければ困るからこそ指導は徹底します。実践力を向上させる大きなチャンスとして3年次の臨地実習もあります。本校では、大学病院をはじめとして国立病院など実習先が非常に充実しており、毎年コンスタントに国公立病院に就職しているほどスキルアップにつながっています。

東京電子専門学校

「人の命を預かる仕事」その重責をやりがいにしてほしい

—最後に、医療人に必要なマインドや、高校生のうちから意識しておくべきポイントなどがありましたらお聞かせください。

医療は経験が必要な世界ですので、経験を重ねながら知識を深め、広げていかなければいけません。卒業後も絶えず学会発表や論文などから最新の知識を蓄え、医療人としてスキルアップし続けていく必要があります。その最初のステップとして、在学中も中級バイオ技術者認定試験に合格できなければ3年次に進級できませんが、目的意識がしっかりしていれば挫折もしないはずです。

本校の1限は9時からですが、早ければ7時半には登校して予習に励み、放課後も19時頃まで校内に残って勉強する学生もいます。そして、もし壁にぶつかって質問したくなれば、教員も時間が許す限り、納得できるまでとことん時間をかけて説明します。目的意識を持って本気で医療人を目指す学生に対して、教員も本気で指導する環境なのです。

東京電子専門学校

高校時代には実体験として臨床検査業務を知る機会は多くなく、目的意識の醸成は容易ではないかもしれませんが、高校生でも参加できるボランティア活動や、臨床検査室の見学などを受け入れている医療機関もありますので、そこで臨床検査の意義や役割を知ることもできます。また、本校のオープンキャンパスや体験入学での模擬授業で、臨床検査技師の仕事について知ることもできます。オープンキャンパスでは、血液検査やエコー検査など、複数の検査業務の模擬経験ができますので、自分の興味に合った検査ジャンルや具体的な業務を見つけ、進学後に勉強したい内容や、将来の就職先の選定につなげてほしいと思います。

また、今からできる対策としては、人との対話能力を磨くことを意識してみてください。医師や看護師、薬剤師などと連携するチーム医療の中でもコミュニケーション能力は不可欠ですし、患者さんとの何気ない会話から検査結果として表れた数値の要因を聞き出すためにも、ヒアリング力が重要になるからです。臨床検査技師になるためには、入学後も卒業後も日々勉強、日々訓練ですが、人の命を預かる仕事であることや、その人の一生を左右しかねない仕事であることの重みや責任感をやりがいとして捉え、本校でそのスタートを切ってくれることを期待しています。

東京電子専門学校
臨床検査学科
宮原 行雄
先生

 

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